ゼロエネルギー住宅という言葉が、我々中小工務店にとってもテーマの一つとなりつつあります。
特に、原発事故に端を発するエネルギー問題に注目が集まる中、従来以上に切実な問題となっています。
ゼロエネルギー住宅の実現には、自宅での発電設備、すなわち太陽光発電が必須となります。
自分は、太陽光発電にはあまり積極的ではない立場を従来とってきておりました。家は、丈夫で長持ちが、何にもまして重要であり、快適設備などは、それに悪影響のない範囲で整備されるべきという思想が強いので、どうしてもある程度は屋根に負担をかけてしまう太陽光発電には、それほど積極ではありませんでした。
正直に言えば、リスクが高く、割に合わない仕事だったのです。
しかし、社会状況が変わり、ある程度しっかりと向き合って考えていかなくてはならない段階にきたなと感じるようになりました。
まず、第一に、なんといっても電気が足りないということを解消する責任が国民全体に課せられる世の中になってきたという事があげられます。一番電気を使いたい夏の暑い日に電気を使ってはいけないということを要請される世の中です。そのような状況にあって、ゼロエネルギー住宅を推進することは、お施主様利益にも公益にもかなうことです。
第二に、太陽光パネルの取り付け方法の進歩があります。数々のトラブルを経て、我々が見てもある程度信頼を置いても良いような取り付け方法がいくつも開発されつつあります。
第三に、薄膜方式など、安価な製造方法のパネルの性能向上と実証データの裏付けがそろってきており、実コストがずいぶん下がってきており、無理矢理の営業トークを言わなくても、元が取れる状況になっていることがあります。
そして、おまけですが、太陽光パネルの直流電気のまま、効率よく蓄電池に溜める方式など、普及が目の前の技術がいくつもあります。
今後は、そういった省エネの工夫に掛かる負担を、工夫のない家庭の電気料金などに上乗せさせるような仕組みも増えていくかもしれません。
この先、10年程度を視野に入れても、だんだんゼロエネルギーを指向していくのは間違いないと思いますので、そういう住宅が標準の時代になっても、対応できるようにしていきます。
現時点で、ゼロエネルギー住宅を計画することは、既に可能です。
図面にあわせて計算してみないとわかりませんが、およそ、230〜250万円程度の費用で、事実上のゼロエネルギー住宅になります。
これは、ずいぶん確信を持って10年程度で費用の元を取ることのできる水準だと思います。
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