萩森建設の『想い』を文字で語ります。 本家のHPに整理してまとめられる前の断片的な内容になってしまいますが、その分リアルタイムで徒然と語っていきます。
季刊発行の「はぎもり通信」に同内容を掲載する事もあり、内容が重複するかもしれませんがご容赦ください。(^_^;)
萩森建設の『行動』を語っている「写真で語る」も宜しくお願いします。
since2012/6/7
お知らせ
2012年12月26日水曜日
【小さく広く暮らす】一部屋多機能でコンパクトに暮らす
小さめの家で広く暮らすには「共有」という概念がとても大切になります。
「時間をずらして共有する。」「複数人で共有する。」「機能を変化させて共有する。」
日本の和室は、優れた共有空間でした。団欒する、接客する、食事をする、寝る、など色々な機能を一部屋で果たすことができました。
もちろん、現代の生活にそぐわないところもありますが、その心は受け継いで上手に暮らせたらよいなと思います。
小さな専用空間より広い共有空間をつくる。一つの空間で邪魔されず疎外せずお互いほどよい距離感で暮らすことができます。
冷暖房も快適に使えエネルギーも節約できます。
動線や収納、機能分離と融合の計画を丁寧に考えて、小さくても広く暮らせる家を一緒につくりましょう。
2012年12月25日火曜日
2012年12月22日土曜日
萩森建設のホームシアター
本格的なホームシアターを検討の場合は、お施主様に合った専門の「インストーラー」をご紹介いただき、その指示に合わせて協業をしていく形になります。
遮音構造の施工から吸音材の取付や気密化工事、設備ダクトやコンセント廻りの処理など、施工能力そのものは水準を確保しておりますので安心してご依頼ください。
専門のインストーラーさんが計画するようなホームシアターに比べると、萩森建設が計画をするホームシアターとはもう少しライトなものになります。
インストーラーさんと違い、機器などの知識もそれほどあるわけではないので、機器類の選定もお客様主導になります。
ベタな表現になり恐縮ですが、スピーカー、アンプ、投影機、スクリーンなどの主要機器類の合計が200万円を越えるような計画をお考えの場合は、専門のインストーラーさんを交えて検討する事を強くお勧めします。
100万円以上200万円くらいまでの場合でも、ご本人が造詣が深い場合を除き、それぞれの機器を調整して能力を発揮できる専門家に参画していただくことをお勧めします。
さて、前置きが長くなりましたが、機器価格数万円から100万円くらいまでの投資でも、かなり充実したオーディオビジュアル体験をする事ができます。
しかし、専門家に依頼するほどの予算はとれませんので、計画の方向によって満足度が大きく変わってしまう危険性もあります。
そのような「専門家の意見を仰ぐほどの予算はないが、充実したオーディオビジュアル体験を自分たちで計画していきたい。」という場合に、萩森建設が考えることをまとめました。
特に、スピーカーセッティングで2.1ch時を重視した構成を考えるのか(主に、音楽重視の方)、5.1chや7.1ch時を重視した構成を考えるのか(映画など臨場感重視の方)は、全体のイメージを練り上げていく上でも何となく違うかなと言う気がします。それは、高精細でコントラストもはっきりしたディスプレイのテレビ映像でいくのか、迫力重視の大画面プロジェクターでいくのか、という部分にもつながります。
【目的を考える】
- 音を聞く(美しい音楽を嗜好するのか?臨場感を重視するのか?音量は?)
- 映像を見る(長時間疲れずに見たい?集中して没頭したい?映像美?迫力?)
- 誰と(一人や二人で?家族で?大勢で?)
- いつ(ながらはあり?没頭時間を確保できる?)
【手段を考える】
- 空間(リビング兼用?他の部屋との兼用?専用室?)
- 遮音(外部とは?上下隣室とは?窓の仕様大きさは?室内建具の仕様は?空調ダクトの対策は?床壁天井の防音仕様は?)
- 音響(吸音部材は?生活家具(ソファーなど吸音効果のある)の計画は?床や天井の仕様は?部屋の形状は?)
- 空調(エアコンでいい?※エアコンでは支障の出るデリケートな計画の場合は、インストーラーさんを依頼すべき水準だと思います。パネル式冷暖房の採用などは可能です。)
- 機器配線・取付準備(スピーカーや配線は空配管?径は?下地補強は?プロジェクター下地は可動にする?スクリーンは必要?)
- 照明(調光は?シーン別プログラムも?コントローラーは?)
- ビルトインスピーカー(スピーカーを見せる?見せない?)
また、機器類は新しいモノに買い換える可能性もありますので、専用にしすぎない方が良いという考えもあります。
しかし、ライトな計画であっても、上記の項目程度は建築側で最低限検討しておかないと、後からではどうしようもない項目です。
これらは、やはり、住宅全体の計画にも影響を及ぼします。
上記の要素を日常の生活空間と上手く融合することで、あまり予算を掛けることなく満足のいく計画をする事も可能ですし、少し本格的な専用室を計画するのもおもしろいです。
ほとんどのお宅では、どのみちテレビは見るし音楽もきくでしょう。下手をすれば、キッチンやお風呂を使う時間よりも多いかもしれません。
萩森建設と一緒に、オーディオビジュアル系に情熱を傾けて生活に彩りを与えるのも、すてきな選択かもしれませんね。
2012年12月21日金曜日
萩森建設のガレージハウス
萩森建設がガレージハウスを計画するときに考えることをまとめました。
ガレージは、スパンを広くとる場合が多く、出入り口は基礎も大きく欠くため、構造的には厳しい条件になります。
建築基準法の範囲でチェックはかかりませんので、特別留意することなくガレージを計画することも可能ですが、構造的にはとても不安な物になってしまいます。
しっかりした構造計画のないインナーガレージは避けるべきです。
また、日常使いもする自動車用か、乗る機会は多くない自動車用かによっても大きく計画は変わります。一般的にガレージハウスは趣味性の高い場合が多いですが、それだけに目的が中途半端になってしまうともったいない空間になってしまう場合もあります。少し、思い切った計画にする事によって活きた空間を創りたいですね。
【目的を考える】
- 見せる(リビングから?オーナーの居室から?誰が見たい?誰に見せたい?)
- 作業する(リストア?リフト必要?床下潜る?工具の量は?コンプレッサー?騒音は?排気ガスは?)
- 保管する(インナーガレージ?半外空間?居室との断熱の区切り?日常使いあり?周辺パーツは?)
【手段を考える】
- 床仕上げ(オイル対策?水を流す?着色方法?リフトや機器の固定の必要性?)
- 壁天井仕上げ(素材?棚やフックなどの増設?色や光沢は?居室側との遮音や断熱は?外部側との遮音や断熱は?ホイストの取付は?)
- シャッター(開口巾?遮音や断熱は?外部との床の段差は?動作音は気になる?開閉頻度は?電動?リモコン?色は?材質やデザインは?)
- 収納(作業ツール?タイヤ?軽くて大きいバンパーやエアロパーツも?アウトドアツールの収納スペース?)
- 構造(間口は?柱はあってもいい?上階は居室?)
- 照明(照度は作業のため?見せるため?器具は見せる?凹凸が邪魔になる?スイッチ類は?)
- プラスアルファ(実用性?趣味性?ラウンジ機能?目立たない場所で雨の日の洗濯干ししてもいい?)
インナーガレージの計画は、構造的な検討と切っても切り離せません。広さはもちろんのこと、シャッターの形式、開口部や出入り口の取り方、ホイストなどの設置の有無、天井高さの設定、居室や上階との関係など、計画が変わればその都度、構造的な検討が必要ですし建物全体にも影響を与えます。
構造によっては、基礎の補強など思わぬ場所に費用がかかったりする場合もありますので、目的に合わせた計画と同時に無理のない構造計画を同時に考えないと不合理で不経済な建物になってしまう事もあります。
限られた予算や制限の中で、楽しい目的のカーライフを満喫するガレージハウスの計画には、そういったノウハウが必要です。
<SE構法は圧倒的にお値打ちな建物ができる>
□SE構法は、一流ハウスメーカーさんの構法よりも上です。(信じてもらえるでしょうか...。)
2012年11月8日木曜日
エネルギー自給型住宅への転換時期
おおざっぱに計算しても、現時点での蓄電池の価格では、耐久性が10年のリチウム電池として、毎月2万円以上の消却になるでしょう。
現実的なのは、とりあえず安価な鉛電池で何とか数年年持たせ、その間に技術革新が進んで、安価で高寿命な電池が手にはいることを期待することでしょうか。(実際は、毎日充放電を繰り返して、3年も持つかどうかは、賭みたいなもんですが。)
逆に言えば、蓄電池の価格が3分の1くらいになれば、完全自給型の家は、経済的にも成り立つ可能性があります。
蓄電池の現在の価格低下のペースを考えれば、3〜5年程度でその程度の水準に低下する可能性は低くないとも思えます。
将来的な可能性として、こういったエネルギー自給型住宅への転換を視野に入れて、最低限の対応は今の家造りにも盛り込んでおきたいものだと思っています。
2012年10月31日水曜日
2012年10月26日金曜日
「手間がかかる。」VS「やりにくい。」
建築の仕事をしていると、「手間がかかる。」とか、「やりにくい。」というような言葉が、職人さんや業者さんから出ることがあります。
言葉の響きから、ネガティブな印象を与えてしまう言葉です。
しかし、施工の現場からすると、耳を傾けるべき言葉でもあります。
一定水準の技術とスピードをもった職人さんを前提にして、
「手間がかかる」とは、時間がかかる=コストがかかる。(お金の問題)
「やりにくい。」とは、技術がはっきしにくい=上手にできない。(品質の問題)
という事になります。
同じ結果を得るために、より手間がかからないように工夫したり、よりやすいように工夫したりするのは、管理者の役目になります。
設計者に対し、「やりにくい」デザインを設計意図を変えない範囲で「やりやすい」デザインに変更のご要望をする事もあります。
仕上がりが重視されるポイントでは、「手間がかかって」も「やりやすい」方法を選んだりする事もあります。
現実には、どうしても手間がかかってやりにくい部分ができてしまうこともありますが、「コストがかかって」「きれいに仕上がらない場所」をつくってしまうことになりますので、管理者としてはそのような部分ができるのは望ましくありません。
より高い技術とスピードをもった腕の良い職人さんを求めたり、同じ工程でより良い物を作ってもらう「気遣い」をしてもらったりという事は、もちろん必要です。しかし、同じ職人さんに、より早く、よりきれいな仕事をしてもらうというのは、管理者の役目になります。
2012年8月28日火曜日
消費税増税に関わるスケジュール(予想)
2012年8月24日金曜日
省エネ機能とエネルギー自立住宅
今日見てきた展示会でも、そんな設備が花盛りです。
これらの設備についての評価を、個人的にはとても悩みます。
まず、経済的に見て、省エネ効果で元が取れる商品はほぼありません。
いい線いくのは、やはり太陽光発電でしょうけど、これは、イニシャルコストには補助金、ランニングコストには売電の高額買い取り制度と、いわば他人のお金をふんだんに獲得できるからで、そうでなければ、とても元が取れるようなものではありません。
一方で、その他の省エネ機能商品も技術的には興味深い商品も多く、元は取らずともリーズナブルな負担なら、もったいない精神を満たすために採用したい、と思う人はたくさんいるはず。
先般話題にした、ゼロエネルギー住宅の件でもそうですが、花盛りの設備を、効果的に計画的に採用してやれば、電線不要なレベルのエネルギー自立住宅や、発電所住宅だって十分可能なわけです。今すぐにそういうオーダーがきても、対応できる程度には、弊社レベルでさえ技術も体制も整ってきている。(言い過ぎた。たぶん法律が整ってない。)
外部にエネルギー供給を頼らないのって、結構気分の良い付加価値じゃないかと。しっかり価値のあることなのではないかとも思うわけです。
その一方で、今それを実現するコストというのは、今後、猛烈な勢いで下がることもわかっていて(蓄電池とか。)、これはこれでどうなんだろう、と。
実際には、コストが下がれば、補助金などの支援も小さくなり、相当期間、実質的な負担は大差ないだろうということも予想できるわけですが。
でもでも、高額設備は更新時の負担も小さくはありませんし。
「採用したらとても良いですけど、おすすめはできません。」って、そんなのあり?
う〜ん。悩む〜。
流行物だからと、盲目的に薦めたりしませんが、それでも、あわよくば電線切れてもふつうに暮らせる家がほしいという、少し酔狂なお客様がいらっしゃいましたら、是非、一緒にかなえましょう。
お金の元は取れませんが、その時点で選択可能な最高に合理的なシステムで、大きな満足感に挑戦してみましょう!
(o^-^)\(^O^)/
荻野
2012年8月22日水曜日
アンチ太陽光発電派から、ゼロエネルギー住宅推進への心変わり
ここ数年、世間での太陽光発電の盛り上がりをよそに、弊社ではそのような動きから一定の距離を置いてきました。
太陽光発電という設備は、暮らしを快適にする要素は一つもありません。
お湯を沸かしてくれるわけでも、家事を楽にしてくれるわけでもありません。
屋根に重量をかけ、防水を脅かし、建物に負担をかける見返りとして、何年もかけて初期の投資を回収(うまくいけば少しは儲かるかも)するという設備でした。
(ただし、発電モニターを見るのはとても楽しい事ですけどね。)
しかし、3.11以降、事情は大きく変化したように思います。
原子力発電の問題も含めて、エネルギー政策も混迷を深めており、お金を出せば電気をふんだんに使っても良いという社会情勢ではなくなりました。
そのような状況にあって、「ゼロエネルギー住宅」というのは、従来よりも遙かに大きな意味を持つ存在になったと感じています。
従来の「光熱費ゼロ」住宅は、所詮高い電気を売って安い電気を買うことによって、費用を節約しようという、お得な住宅という意味であったろうと思います。
それが、昨今の情勢下の「ゼロエネルギー」住宅は、社会にエネルギー負担をかけずに快適設備を使うことのできる、いわば免罪符付住宅という要素を持ちます。
将来的にどのような社会になるかはわかりませんが、しばらくの間は「ゼロエネルギー」住宅以外では、何となく電気をふんだんに使った生活をする事がためらわれる時代が続きそうです。
幸いなことに、今は補助金や電気の買い取り制度のおかげで、トータルの負担はあまり大きくありません。
また、屋根の防水を傷つけることなく施工できる太陽光パネルの施工方法も開発され、弊社ではその方法だけを採用していきます。
建物の標準的な使用エネルギーを計算する手法も確立されています。
割高だった太陽光発電をはじめとする設備も、家電量販店などに遜色のないような価格で取付ができるような環境もできてきました。
ゼロエネルギー住宅は、社会が必要とし、特別な存在でなくなっていくのかもしれません。
快適な生活を気持ちよく満喫するために、ゼロエネルギー住宅をお勧めします。
10年後に「え、イマドキ外部からエネルギーを調達するような家に住んでるの?」と言われないためにも。
2012年8月15日水曜日
冷暖房設備は、人を引き寄せる引力だ!
トイレや洗面、お風呂、廊下などとLDKなどは、快適な温度管理をして、人を引きつける強い引力を持たせてもよいですが、家族構成やお子様への子育ての考え方によっては、その引力の大きさに、メリハリをつけるのもいいかもしれませんね。
2012年7月4日水曜日
性能が良い材料を使うと建物の性能も上がる??
断熱材の問題です。
A:高くても性能に優れた断熱材B:そこそこの性能で安い断熱材
太陽光発電の問題です。
A:高くても発電量の大きな太陽発電B:そこそこの発電量だけど安い太陽光発電
性能の高い家づくりをしたいと思っているあなた。
上の例で、どちらを選びますか?
まず、それぞれの部位だけのことを考えた場合、同じ予算であればどちらの場合もBの方が性能の高い家ができます。
安い断熱材なら、同じ値段でとてもたくさん入れられます。
安い太陽光パネルなら、同じ値段で多くのパネルが載せられます。
どちらも、同じ値段のAの性能を上回ります。
しかし、現実にはそこまで単純ではありません。
断熱材の場合は、断熱材を入れるスペースが壁や屋根にあるかが問題になります。実際には、壁や屋根のスペースは限られますので、一定以上に性能を上げる場合は、やはりAの性能に優れた材料を使わないと実現できません。
太陽光の場合は、屋根のデザインが問題になります。多くのパネルを載せることのできる片流れの屋根などでは、Bの方法でも十分な枚数を載せられますが、一般的な切り妻屋根や寄せ棟の屋根では、多くのパネルを載せることが困難かもしれません。そのような場合は、Aの一枚あたりの発電量の大きなタイプを載せないとたくさんの電気を発電することは難しくなります。
この当たり前のことを、何となく誤解されている方も多いように感じます。
一般的に予算は限られていますので、その中でいかに性能を上げるかというのは、建築的な条件と部材の組み合わせが最大限効果を発揮するように考えます。
2012年7月3日火曜日
構造計算のメリットとSE構法
構造計算
構造計算って、想定外の力がかかった場合にどのように安全に壊すかを計画する事でもあります。
ほとんどの部位が100の力に耐えても、一カ所30の力で崩壊してしまう部分があれば、建物としては30の力にしか耐えられない建物という事になってしま います。それなら、全体をぬかりなく70の力でつくった方がコスト的にも耐力的にも良いよね。というのが構造計算です。もちろん、一気に倒壊しては危ない ので、壊れる順番や状況も想定します。
で、構造計算をしたから建物が強くなるわけではありません。構造計算によって、100の力でも大丈夫なように確認すれば、100以上、120の力でも大丈夫なように確認すれば、120以上になります。30の力で計画すれば30にしかなりません。
建築基準法で、50の力でOKな場合、実際には、部位によって70だったり100だったりする力に耐えられる場所もあるわけですが、それはもったいないと いう事で、できるだけ、すべての箇所で50の力すれすれで持つようにする、つまり、コストダウンを最大の目的にする構造計算もあります。(大規模な建物で は、こちらの要素が強く、結果、姉歯事件のような事も起きます。)
一般的に、構造計算費用は、構造の最適化による無駄を省く費用に対し、十分に見合う投資だと思われます。
しかし、小規模の住宅できわめて素直な設計ができるケースでは、経験とか、勘とかいったもので、数字的な裏付けはなくとも、ほぼ間違いない判断ができるケースもあります。そのような場合は、構造計算そのものが無駄という判断ができる場合もあります。
構造計算をする○○構法の強さ
ハウスメーカーやビルダーがPRする構法のうち、構造計算をしている○○構法が強いかどうかは、その計算によってどの程度以上の強度を目指す事に決めてい るかという運用上のルールにつきると思います。これは、企業の経営姿勢で決まる部分が大きいと思います。このハードルをあげれば全体コストは上がりたくさ ん売れなくなるかもしれないですし、ハードルを下げれば万が一の地震時に倒壊案件がでてしまいイメージを損なうかもしれない。
SE構法でも、日本で起こる可能性のある地震程度では倒壊しない程度に最低基準を設定しています。ただ、この設定レベルを十分とみるか不安とみるかは、価値観にゆだねられる部分もあるのかなと思います。
構法毎の強度の優劣の話をするのはある意味ナンセンスで、SE構法であれなんであれ「うちの建物は、より強い計算でお願いします。」と構造計算の数値を上 げてもらえば良いのです。当然、部材が太くなりコストが上がったり、計画に制限がでたりしますが、より強い建物になります。
「強さ」は構造計算をする事により在来工法を含め、構法に関係なくおおむねオーダーできます。(在来工法である程度精度のある構造計算を仕様と思うと、より強烈な制限がかかる上金額もはるので、一般的ではありませんが。)
一方、耐久性というものは構法にある程度左右されるものと思います。
こちらは、現実的な比較のできる環境が、現在のところそろっているとは言いがたい状況です。
各社の説明を良く聞いて、判断するしかありませんね。
SE構法で行われる構造計算とSE構法の評価
日本において木造建築の構造計算の王道は「木造軸組工法住宅の許容応力度設計」というものに沿ったものでしょう。これに対し、SE構法などは実験結果も踏まえた独自手法による計算になっているので、その部分に対し懐疑的な意見があるのも事実です。
前者が水銀体温計だとすると、後者はオムロンの電子体温計と言ったところでしょうか?後者の場合、オムロンのアルゴリズムを疑えば、その結果の数値も疑う事になり、本当にその体温なの?という疑問が生まれます。
実際、前者の計算ではSE構法よりさらにごっつい高コストな構造になる事が多く、それを正解とするのであればSE構法に懐疑的なる意見も理解できなくはないです。
しかし、それを言えば、壁倍率等で判定する在来木造は、おでこ体温計と同じようなものです。
いずれにしても、お金に糸目をつけないという前提で言えば、SE構法に限らずより強い建物をより確実な方法で作る方法はあります。いわゆる庶民ではない層の方々の家づくりでは、普通に使われています。
でも、自分を含め、庶民の家づくりでは金額を意識しないわけにはいきませんから、その中で、最も効率よく強度を高められる方法として、SE構法を支持しています。盲目的に安心だという気はないのですが、かなり良くできた構造でありシステムです。
2012年7月2日月曜日
ゼロエネルギー住宅を考えよう
特に、原発事故に端を発するエネルギー問題に注目が集まる中、従来以上に切実な問題となっています。
ゼロエネルギー住宅の実現には、自宅での発電設備、すなわち太陽光発電が必須となります。
自分は、太陽光発電にはあまり積極的ではない立場を従来とってきておりました。家は、丈夫で長持ちが、何にもまして重要であり、快適設備などは、それに悪影響のない範囲で整備されるべきという思想が強いので、どうしてもある程度は屋根に負担をかけてしまう太陽光発電には、それほど積極ではありませんでした。
正直に言えば、リスクが高く、割に合わない仕事だったのです。
しかし、社会状況が変わり、ある程度しっかりと向き合って考えていかなくてはならない段階にきたなと感じるようになりました。
まず、第一に、なんといっても電気が足りないということを解消する責任が国民全体に課せられる世の中になってきたという事があげられます。一番電気を使いたい夏の暑い日に電気を使ってはいけないということを要請される世の中です。そのような状況にあって、ゼロエネルギー住宅を推進することは、お施主様利益にも公益にもかなうことです。
第二に、太陽光パネルの取り付け方法の進歩があります。数々のトラブルを経て、我々が見てもある程度信頼を置いても良いような取り付け方法がいくつも開発されつつあります。
第三に、薄膜方式など、安価な製造方法のパネルの性能向上と実証データの裏付けがそろってきており、実コストがずいぶん下がってきており、無理矢理の営業トークを言わなくても、元が取れる状況になっていることがあります。
そして、おまけですが、太陽光パネルの直流電気のまま、効率よく蓄電池に溜める方式など、普及が目の前の技術がいくつもあります。
今後は、そういった省エネの工夫に掛かる負担を、工夫のない家庭の電気料金などに上乗せさせるような仕組みも増えていくかもしれません。
この先、10年程度を視野に入れても、だんだんゼロエネルギーを指向していくのは間違いないと思いますので、そういう住宅が標準の時代になっても、対応できるようにしていきます。
現時点で、ゼロエネルギー住宅を計画することは、既に可能です。
図面にあわせて計算してみないとわかりませんが、およそ、230〜250万円程度の費用で、事実上のゼロエネルギー住宅になります。
これは、ずいぶん確信を持って10年程度で費用の元を取ることのできる水準だと思います。
2012年6月13日水曜日
「え!身内の土地でも自由に家を建てられないの?」
家を建てる際には、いろいろな制限があります。自分や身内の敷地だというだけで、好きに何でも建てられるわけではありません。そんな中で、最近の多いご相談が、「親の畑に家が建てたいんだけど?」というようなものです。
実は、農地(畑や田んぼなど)は特別に法律で管理されており、どんな農地であれ、その土地を農地以外に利用するには、何かしらの手続きが必要です。
「日本の国土から、農地を減らすには、手続きが必要。」
と、まずは覚えておいてください。
少し前に家を建てた方は、「何とか抜け道があるのでは?」と思いがちですが、そんな「抜け道」も今ではほとんどない、と思ってください。(これについては、公のブログで書けるのはここまでです。)
<この話題は、まだまだ続きますが、一旦公開します。>
2012年6月9日土曜日
0エネルギーという考え方の解説(ちょっとつまらない内容(-_-;))
「0エネルギー住宅」という表現は、どんな状態を指すんだろうな?と、疑問に思っていました。
住む人によってエネルギーの使い方が違うので、なかなか一定の基準を設けるのは難しいような気がします。
しかし、今年は住宅の「ゼロ・エネルギー化推進事業」が行われ、その中で一定の考え方が示されていますので、簡単に解説してみたいと思います。
まず最初に、「光熱費が0円」になる住宅と、「0エネルギー」の違いをおさらいします。
光熱費0円というのは、その名の通り、光熱費が差し引き0円以下になる事ですが、これは、もっぱら太陽光発電による電気の高額買い取り制度を前提として、高い値段で電気を売りながら、安い値段の光熱費をできる限り利用する事で、金銭的な収支を均衡にしていくというものです。
一般的に、光熱費が0円になっても、エネルギーの使用量そのものは0にはなりません。
これに対し、0エネルギー住宅というものは、使うエネルギーそのものを差し引き0にしていく考え方です。
この検証には、エネルギーの単位であるJ(ジュール)が用いられます。
住宅が使う総エネルギーを省エネと太陽光発電等ですべてまかなえる事を0エネルギー住宅と定義しています。
もう少し細かくみていくと、
まず、標準的な仕様の住宅を想定し、その住宅が標準的に使うエネルギーを定義します。
その標準的な仕様に対し、断熱性能を上げたり省エネルギー設備を利用したりで、削減できるエネルギーをまず考えます。
次に、太陽光発電などで作り出せるエネルギーを考えます。
この、削減できるエネルギーと作り出すエネルギーを足したものの、標準的な住宅の使うエネルギー量に対しての割合を考え、それが100%を越えるものを「0エネルギー住宅」と定義しています。
ややこしいので、簡易的な概念を下記に書きます。
標準的な住宅が仮に1年で50GJのエネルギーがかかるとします。(面積や補正計算はすべて割愛します。)
いろいろな対策で省エネできて、実際には年間40GJで大丈夫な性能の高い建物を計画できたとします。(10GJ/年削減できた)
これに、40GJのエネルギーを生み出す太陽光発電を載せた場合
(10GJ+40GJ)/50GJ=100% という事になり、0エネルギーとなります。
この割合を「削減率」と呼んでいます。
さらに省エネを進め15GJ/年の節約と、もう少したくさんの太陽光発電を導入でき45GJ/年の発電ができた場合、
(15GJ+45GJ)/50GJ=120% となり、削減率は120%になりますので、20%のエネルギーを生み出すという事になります。
余談ですが、標準的な住宅を仮定する事のメリットは、省エネ化した住宅を分母に置く事によって、見た目上の削減率が大きくなりすぎないようにだとおもいます。
上記の例だと、太陽光発電の発電量が45GJ/年の時、省エネが進んだ住宅の必要エネルギーの35GJ/年を分母に考えると、
45GJ/35GJ=128%以上 となってしまいます。
実際に計画する仕様に対してではなく、標準的な仕様に対しての削減率を考え、それが100%以上を求めていくという事ですね。
こういった数字のお遊びは、あまり真に受けすぎるのも意味がないところもあります。
実際の計算に使う定数は、一定の根拠はあるとは言え、個別の正解を導くようなものではありません。
また、面積は考慮するといっても間取りでも条件は変わるでしょう。
もちろん、暮らし方によっても実際に使うエネルギーは大きく変動します。
しかしまぁ、一応、その考え方を理解しておくのは無駄ではないと思います。
国は、徐々に削減率100%以上の住宅を増やしていきたいのだと思いますが、もし、多くの住宅がそういう仕様になってしまうと、電力会社やガス会社は商売あがったりですね。
需給ギャップを埋めてもらわないと暮らしていけませんから、お世話にならずにすむという事はないでしょうけど、購入エネルギーが差し引き0以下で商売が成り立つとすると、売るエネルギーの方が安くなる時代も来るかもしれませんね。(考えてみれば、こちらが当たり前ですからね。)
弊社の0エネルギー住宅に関する取り組みや考え方については、また機会があれば「文字で語」っていきます。
2012年6月7日木曜日
節電の夏→ピークシフトを心がけましょう
「住宅のゼロ・エネルギー化推進事業」「地域型住宅ブランド化事業」への応募
SE構法は高いけど高くない
木造系ハウスメーカーの最上級構法(住友林業のビックフレーム構法など)と比較しても、勝るとも劣らない構造の建物として、圧倒的にお値打ちです。