建築の仕事をしていると、「手間がかかる。」とか、「やりにくい。」というような言葉が、職人さんや業者さんから出ることがあります。
言葉の響きから、ネガティブな印象を与えてしまう言葉です。
しかし、施工の現場からすると、耳を傾けるべき言葉でもあります。
一定水準の技術とスピードをもった職人さんを前提にして、
「手間がかかる」とは、時間がかかる=コストがかかる。(お金の問題)
「やりにくい。」とは、技術がはっきしにくい=上手にできない。(品質の問題)
という事になります。
同じ結果を得るために、より手間がかからないように工夫したり、よりやすいように工夫したりするのは、管理者の役目になります。
設計者に対し、「やりにくい」デザインを設計意図を変えない範囲で「やりやすい」デザインに変更のご要望をする事もあります。
仕上がりが重視されるポイントでは、「手間がかかって」も「やりやすい」方法を選んだりする事もあります。
現実には、どうしても手間がかかってやりにくい部分ができてしまうこともありますが、「コストがかかって」「きれいに仕上がらない場所」をつくってしまうことになりますので、管理者としてはそのような部分ができるのは望ましくありません。
より高い技術とスピードをもった腕の良い職人さんを求めたり、同じ工程でより良い物を作ってもらう「気遣い」をしてもらったりという事は、もちろん必要です。しかし、同じ職人さんに、より早く、よりきれいな仕事をしてもらうというのは、管理者の役目になります。
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